MP研究会/例会2003_10

研究会活動

材料のパフォ−マンス研究会
2004年第1回例会

2004年第1回研究会例会

日時: 2004年1月9日(金)14:00-17:00
場所: 東京工業大学百年記念館・フェライト会議室
     東急線「大岡山」下車徒歩2分
公設試験研究機関における腐食防食技術相談
  兵庫県立工業技術センター 高谷 泰之

岐阜県での依頼試験・相談状況と腐食事例
  岐阜県製品技術研究所 山口 貴嗣

最近の技術相談事例から
  福島県ハイテクプラザ 杉内 重夫

化学プラントにおける腐食事例の推移と防止への
取り組み
  東洋エンジニアリング 長島 英紀
研究会終了後,技術交流会(17:00〜19:00)を計画しています.参加費3,000円,事前にお申し込み下さい.なお,領収書が必要な方は,出欠通知の際にお申し出下さい.

[出欠通知]

次の事項を1月5日までに,emailで事務局
(jim@corrosion-center.jp)宛てにご連絡ください.

  1. 委員氏名
  2. 研究会(出席・欠席)
  3. 交流会(出席・欠席)
  4. 領収書(要・不要)

Abstract

[A] 「公設試験研究機関における腐食防食技術相談」

        兵庫県立工業技術センター  高谷 泰之

 兵庫県を中心に県下企業および一般住民から受ける金属材料の腐食損傷に関する技術相談は、生活用品、食品機器、建築設備、計測器、化学機器など多岐にわたっています。中でももっとも多い腐食に関する課題はステンレス鋼です。特に、食品製造機器は衛生面からも、さびにくく?かつ美観が保たれるステンレス鋼が多く使われています。多用されているためか、ステンレス鋼に係わる腐食損傷が多く見られます。その腐食形態もすき間腐食、応力腐食割れ、粒界腐食、外面腐食と種々雑多です。食品製造機器類のほとんどは中小の企業で設計し、曲げ加工、溶接などを行い、組み立てを行っています。たとえば、コンビニストアに並べられる商品をスピードよく調理できるように、それぞれの装置にはアイデアいっぱいの工夫がなされ自動化されたものです。異物の混入や金属イオン流出があってはならない食品機器では通常の防食法が適用できない場合があり、装置部材の加工に細心の注意が必要であると思われます。今回、主にステンレス鋼に係わる腐食損傷事例を紹介し、それらの防食対策について協議したいと考えている。

[B-1]  岐阜県での依頼試験・相談状況と腐食事例

          岐阜県製品技術研究所 山口 貴嗣

岐阜県の研究所では,主に企業からの依頼・相談を行っており,その分野ごとに研究所が置かれています.機械・金属分野の研究所でも多くの企業から相談を受けており,様々な相談が持ち込まれて来ていました. 県内の企業はほとんどが中小企業であり,且つ下請け会社であることが多いのですが,このような事情から製品のクレームなどが多く,研究・分析部門を持っていない企業から当研究所に持ち込まれてくるケースがほとんどでした.

 今回は,県内企業の特色と照らし合わせて,多く見られる話題を中心に紹介します.

[B-2]   最近の技術相談事例から

          福島県ハイテクプラザ 杉内 重夫

○最近技術相談として持ち込まれた腐食に関する事例を報告する

1,家庭用暖房機内部に発生した腐食の原因調査とその対策
東北地方の家庭(室内)で使用されていた暖房機内部が使用期間約1年で全面赤錆で覆われる事故が多発した。腐食面からは,大量の塩素が検出された。

2,黄銅のアンモニアによる応力腐食割れ
黄銅にNiめっきされた部品がわれる事故が大量にみつかった。破断面は粒界割れであり,部品周辺からは,アンモニアが検出された。このことからアンモニアによる応力腐食割れと考えられ,対策としてこの部品をステンレスに変更した。

[B-3]   「化学プラントにおける腐食事例の推移と防止への取り組み」

               TEC      長嶋英紀

 化学プラント装置の腐食問題に取り組む上で,必要な規格や腐食データの体系化が進む一方で,規格の適用範囲やデータの信頼性に対する理解不足により思わぬトラブルを招くことがある.特に当社のようなプラントエンジニアリング会社においては,プラント建設に携わる関係各社の腐食技術者の数自体が減少傾向にあることや,海外ベンダーの採用が増えていることなどから,社内設計部門や関係会社に対して必要かつ十分なサポートを行うしくみが求められている.また,最近では当該環境において単純に腐食しにくい材料を選定するのではなく,プラントのライフサイクルでみて最適な材料選定,例えば腐食モニタリング技術との組み合わせでベストな材料を選択するなどの取り組みが始まっている.今回は,化学プラント装置における腐食事例の推移とともに,これら当社における腐食問題防止への取り組みを紹介する.