Abstract
[A] 「高温での材料劣化と対策」
(株)ベストマテリア 木原 重光
概要:高温使用による経年的劣化現象として、高温腐食、クリープ、熱疲労などをとりあげる。ボイラ、タービン、加熱炉などの高温機器における損傷事例を含めて概説し、各損傷に対する寿命予測方法の紹介と予測の限界について述べる。また、材料、運転および保全の観点から劣化予防対策を紹介する。
[B-1] 「発電ボイラ用高強度18-8系ステンレス鋼管の高温強度と耐食性」
新日本製鐵(株) 石塚 哲夫
概要:火力発電ボイラの過熱器・再熱器管として使用されるオーステナイト系ステンレス鋼管は使用性能として高いクリープ強度や耐高温腐食・酸化性等が要求される。従来は、高強度化に有利な高Cの材料が開発されてきたが、鋭敏化しやすい成分系のために溶接施工後ボイラが運転開始されるまでの室温保持期間において粒界割れか懸念され、施工上の特別な配慮が要求されていた。そこで従来の高強度材よりC量を減らして鋭敏化特性を向上させながらも高強度を維持させた新材料XA704を開発した。本報告では、XA704の設計指針およびボイラ用鋼管としての諸特性に加えて種々の腐食試験結果を紹介する予定であり、本鋼のボイラ用途以外での可能性を議論して頂ければ幸いである。
[B-2] 「最近のエチレン分解管技術について」
日揮(株) 白鳥 宣男
概要:ナフサ(粗製ガソリン)やエタンから石油化学産業の主原料であるエチレンを製造するプロセスは極めて重要であり、様々な方法による技術革新が試みられている。特にエチレン分解炉の中心的な役割を担う分解管は、プラント装置材料の中でもとりわけ過酷な環境下にあり、分解管材質のクリープ強度や耐浸炭性、耐コーキング性を向上すべく、分解管材質あるいは表面処理技術の開発が活発に行われている。本講演では、エチレン分解管の劣化機構や技術的なニーズおよびここ数年間において開発された分解管に関する技術を紹介する。
以上
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