MP研究会/例会2006_07

研究会活動

材料のパフォ−マンス研究会
2006年第3回例会

2006年第3回研究会例会

日時: 2006年7月7日(金)14:00-17:00
場所: 
早稲田大学大久保キャンパス・62号館W大会議室
     「高田馬場」下車徒歩12分


講演タイトルと講演者

「耐酸化性に及ぼすマイクロアロイングと表面処理の影響等他〜今昔」
日本冶金工業(株)  根本力男

「燃焼器部材用Co基合金の高温損傷事例」
  (株)荏原総研 八鍬 浩

「Ni-Cr-Mo合金の対すきま腐食特性」
  (独)物質材料研究機構  深谷祐一


  

研究会終了後,技術交流会(17:00〜19:00)を計画しています.参加費3,000円,事前にお申し込み下さい.なお,領収書が必要な方は,出欠通知の際にお申し出下さい.

[出欠通知]

次の事項を7月3日までに,emailで事務局
(jim@corrosion-center.jp)宛てにご連絡ください.

  1. 委員氏名
  2. 研究会(出席・欠席)
  3. 交流会(出席・欠席)
  4. 領収書(要・不要)

Abstract

[A] 耐酸化性に及ぼすマイクロアロイングと表面処理の影響等他〜今昔

             日本冶金工業(株)     根本力男

概要:金属の高温酸化現象は1930〜40年代にWagnerやHauffe等によって理論付けられたが、その後はマイクロアロイング技術が注目され、鉄鋼の耐酸化性改善を初めとして色々な分野に利用されるようになった。特に熱間加工性と冷間加工性の改善、耐食性と耐熱性の改善に利用されている。昔から耐酸化性や耐熱性改善には希土類元素などの活性元素の微量添加が行われており、現在も続けられている。しかし、今でも添加効果機構は不明で推測の域を脱していない。界面分析技術は著しく進展しているが、例えば微量の希土類元素の分布状態は未だ把握されていない。耐酸化性は表面処理に大きく影響されることは実験室的に良く知られているが、実用化には困難さが伴う。不働態皮膜の影響や優先酸化処理の効果について過去のデータを示す。Bは耐熱鋼の品質向上に不可欠の添加元素になっているが、Fe−Ni合金の熱間加工性改善に及ぼすBの以外な効果等についても触れる。

[B-1]「燃焼器部材用Co基合金の高温損傷事例」

 (株)荏原総研        八鍬 浩

概要:燃焼器部材に用いられたCo基耐熱合金が10mm/y以上の大きな速度で減肉損傷した事例について報告する。損傷部の分析結果から、浸炭によるCr炭化物生成に伴った基材中のCr濃度低下が、異常酸化の一因であると推察した。

[B-2] 「Ni-Cr-Mo合金の対すきま腐食特性

         (独)物質材料研究機構 深谷祐一

概要:高レベル放射性廃棄物処分容器の候補材料として,米国でNi-Cr-Mo合金Alloy 22が選定され,注目されている.不働態金属を採用する場合,すきま腐食をはじめとした局部腐食に対する長期健全性が主たる課題となるが,これを絶対評価し得るのが腐食すきま再不働態化電位ER,CREVである.ただし,高耐食性のNi-Cr-Mo合金の場合は,JIS G 0592に規定される手順のままでは適正なER,CREVを求め得ない.本講演では,過不働態溶解,および臨界侵食深さの観点からER,CREV測定手順を最適化し,これをもって評価したAlloy 22の対すきま腐食特性について述べる.さらに,腐食すきま再不働態化温度TR,CREVによって評価した各種Ni-Cr-Mo合金の対すきま腐食特性についても併せて報告する.

                                                         以上