Abstract
[A] 「Scanning Kelvin
Probeを用いた大気環境の腐食性評価」
東京電力(株) 龍岡 照久
近年、腐食分野に積極的に適用されるようになってきたScanning Kelvin Probe(以下SKP)を用いて大気環境の腐食性評価を行った。海塩粒子を模擬した各種塩類および混合塩を付着させた純鉄、ステンレス鋼、白金など表面の電位を測定し、各相対湿度における腐食性を評価した。様々な測定データからSKPの可能性を紹介するとともに、2年間のアメリカでの生活、GE社グローバルリサーチでの研究、世界の研究者との交流などについて簡単に紹介する。
[B-1] 「Niフリーオーステナイト系ステンレス鋼の開発」
福島県ハイテクプラザ 光井 啓
高耐食性材料として一般に用いられるオーステナイト系ステンレス鋼はNiを8%以上含んでおり、その溶出により金属アレルギーを起こしやすいとされている。そのためNiを使用しないステンレス鋼の開発が求められている。窒素はNi同様オーステナイト安定化元素であることから積極的に有効利用する研究が行われており、近年、Niの代わりに窒素を1%以上固溶させた高窒素ステンレス鋼が従来のオーステナイト系ステンレス鋼に比べて高強度・高耐食性を有することが明らかになってきた。
本研究では真空熱処理炉を用いた加圧窒素吸収処理法を利用してフェライト系ステンレス鋼に窒素を高濃度に固溶させることによりNiフリーオーステナイト系ステンレス鋼の開発を行ったので、その結果を報告する。
[B-2] 「腐食事例と材料開発」
腐食センター 永田 三郎
住友金属工業勤務時に経験した下記腐食事例と材料開発について、研究開始時の状況を中心に紹介する。
1.硫化物腐食割れ
2.ラインパイプのHIC
3.水蒸気酸化
4.CO−CO2−H2O系でのSCC
5.原子力発電所でのSCC
以上
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