MP研究会/例会2007_03

研究会活動

材料のパフォ−マンス研究会
2007年第4回例会

2007年第4回研究会例会

日時: 2007年10月5日(金)14:00-17:00
場所: 
早稲田大学大久保キャンパス・62号館W大会議室
     「高田馬場」下車徒歩12分

講演タイトルと講演者
「各種水系における微生物障害と対策」
         アクアス(株)縣 邦雄

「ゴムから放出される硫黄ガス濃度の推定」
       (株)日立製作所 南谷林太郎

「私の研究と不動態」
        東大名誉教授 辻川茂男
研究会終了後,技術交流会(17:00〜19:00)を予定しています.参加費3,000円,事前にお申し込み下さい.なお,領収書が必要な方は,出欠通知の際にお申し出下さい.

     [出席通知]

ご出席の方は10月2日(火)までに,emailで事務局
(jim@corrosion-center.jp)宛てにご連絡ください.

  1. 委員氏名
  2. 研究会 (出席)
  3. 交流会 (出席・欠席)
  4. 領収書 (要・不要)

Abstract

平成19年度 第4回材料のパフォーマンス研究会 講演者と概要

[A] 「各種水系における微生物障害と対策     

アクアス(株) つくば総合研究所 縣  邦雄

冷却水や冷温水をはじめとする各種の人工環境水系では、微生物による障害が発生する。広く認識されている障害にはスライム(バイオフィルム)による熱交換器の効率低下や閉塞がある。微生物腐食は、バイオフィルムあるいは微生物が金属の腐食を促進する現象である。更に、冷却水や循環式浴槽ではレジオネラ属菌の増殖による感染症の集団発生が問題となっている。これらの問題について事例を含めて解説するとともに、実際に行なわれている防止対策を解説する。

[B]  「ゴムから放出される硫黄ガス濃度の推定」

(株)日立製作所 機械研究所 南谷林太郎

電子部品材料として用いられる銀はゴムから放出される硫黄ガスにより腐食する.その腐食損傷を評価するために,本研究ではゴムから放出される硫黄ガス濃度を推定する方法を確立した.まず箱形容器を用いた腐食試験により,ゴム共存環境での銀の腐食挙動が単体硫黄共存環境と類似した腐食挙動であることを示した.さらに銀表面に形成された腐食生成物はAg2Sのみであり,銀の腐食生成物の厚さが直線則に従い増大することを示した.また箱形容器環境での銀の腐食速度を決定する要因は,主として硫黄ガスによる銀の腐食反応であり,それに加えて硫黄ガスの拡散であることを示した.したがって銀の腐食速度を硫黄ガスの拡散と反応を考慮した腐食解析により算出できる.この腐食解析の逆問題として,予めゴム共存試験で得られた銀の腐食速度から,ゴムから放出される硫黄ガス濃度を推定した.ゴムからの放出硫黄ガス濃度を境界条件とした腐食解析を用いれば,ゴムが共存する電子装置内での銀の腐食速度を推定できる.これにより電子装置の効率的な防食対策を検証して,装置の耐食性を向上させることが可能となる.


[不働態に関する懇話会]
「私の研究と不動態(1)」

東京大学名誉教授 辻川 茂男

 塩化物による応力腐食割れCl-SCCは永らく“film rupture theory”に
よって説明されてきた。この説がもっぱら依拠した「沸騰塩マグ」のような高濃度Cl-水溶液から数10ppmCl-という低濃度水溶液までのCl-SCCの割れ条件、たとえば割れ電位域などにおいて、実験結果と同説との異(同)を概説する。

       以上