MP研究会/例会2007_03

研究会活動

材料のパフォ−マンス研究会

2009年 第2回研究会例会

日時: 2009年4月27日(月)14:00-17:00
場所: 
早稲田大学大久保キャンパス 62号館W大会議室
     (「高田馬場」下車,徒歩12分)JR/東西線
     (「西早稲田」下車,徒歩 6分) 副都心線

講演タイトルと講演者

[A-1](不動態)
 「ステンレス鋼の耐食機能」 
            福井工業大学 柴田 俊夫

[A-2](不動態)
 「ステンレス鋼における孔食と合金元素の役割」  
            腐食センター 遅沢浩一郎
 

研究会終了後,技術交流会(17:00〜19:00)を予定しています。参加費3,000円,事前にお申し込み下さい。なお,領収書が必要な方は,出欠通知の際にお申し出下さい。

            [出席通知]

ご出席の方は Emailで事務局(jim@corrosion-center.jp)まで
ご連絡ください.


  1.お名前
  2.交流会 (出席/欠席)
  3.領収書 (要/不要)
Abstract

21年度 第2回材料のパフォーマンス研究会 講演者と概

[A-1](不動態)
「ステンレス鋼の耐食機能」
                         
福井工業大学  柴田 俊

 
2013年にステンレス鋼の発明100年を迎える。ステンレス鋼の耐食性発見の歴史的経緯を基礎科学としての電気化学分野の不動態研究の歴史と対応させながら、今日のステンレス鋼不動態の耐食機能の理解の現状を述べる。
 近代腐食科学の基礎を築いたU. R. Evansに、”Why Does Stainless Steel Resist Acid?”という興味深い論文(1962)がある。論文の冒頭に「ステンレス鋼はなぜ酸に侵されないか」と問うと、「表面に酸化皮膜ができているからである」と答えるであろうが、一般の人はこの答に満足したとしても、専門家はこの答には満足しないと述べて、続いてEvansの回答が述べられている。
 Evansの回答を中心にして、どのように"ステンレス鋼の不動態と耐食性“が理解されているかを、還元溶解、皮膜修復、選択濃縮、合金元素の効果などをキーワードとして述べることにする。
 1.はじめに
   腐食科学と防食工学の発展とステンレス鋼の発明
   ステンレス鋼発明の100周年(2013)を迎えて 
 2.ステンレスはなぜさびないか?
 2.1 不動態皮膜の還元溶解と皮膜修復
 2.2 選択濃縮または選択溶解
 2.3 ステンレス鋼不動態皮膜中へのCr濃縮
 2.4 耐食性に及ぼす合金元素の効果
 3.おわりに
 ステンレス鋼の不動態耐食機能を、Evansの論考を手がかりとして、還元溶解、選択濃縮、皮膜再生、そして合金成分の役割の観点から概説した。テンレス鋼の耐食性における合金成分の役割については、必ずしも科学的根拠が明確にされているわけではない。環境条件によって表面に生成する不動態皮膜が変化し、また如何なる耐食性を問題にするかによっても答は異なってくる。これからも多くの研究が必要とされる所以である。



[A-2](不動態)

「ステンレス鋼における孔食と合金元素の役割」 
                         
腐食センター 遅沢浩一郎

 
塩化物水溶液中でのステンレス鋼における不動態の局部的破壊である孔食には@発生後直ちに再不動態化する「再不動態化ピット」とAピット発生後成長を続ける「成長性ピット」(いわゆる孔食)がある。ピットの発生は多くは鋼中の介在物部に起り、それを起点として成長性ピットに到るが、耐孔食性に有効な合金元素の働きは、成長を持続させるための溶液条件に到達する以前に再不動態化を促進することにあると考えられる。そこで孔食に及ぼす合金元素の影響をピットの再不動態化との関係で検討した。

       以上