Abstract
平成22年度 第1回材料のパフォーマンス研究会 講演者と概要
[A講演] 「軽水炉以外の原子力施設と材料の適用例、トラブル例」
(独)日本原子力研究開発機構 山本 正弘
腐食防食協会においては、既に原子力小委員会の活動やSCCM、春の大会の国際フォーラムなどで軽水炉の腐食防食の話題は頻繁に取り上げられている。しかしながら、我が国の原子力政策は、核燃料サイクル技術を確立するために進められており、軽水炉以外にも様々な施設が必要であり、それらも多くの腐食問題を抱えている。
そこで、我が国の目指す核燃料サイクル技術の概要について紹介すると共に、軽水炉以外の各種原子力施設における腐食に関する課題とトラブル事例、材料の適用(成功)事例について紹介する。
[B講演] 「API/ASME FFS規格の概要と国内減肉評価基準動向」
東洋エンジニアリング(株) 永田 聡
Fitness-For-Service(FFS, 供用適性)に対する国際的な評価基準として認められているAPI 579-1/ASME FFS-1について概説し、評価の対象とされている各損傷様式とそれぞれの評価手法を簡単に紹介する。
また、近年益々注目が高まりつつある減肉評価について、石連/石化協に合同で設置された供用適性評価基準作成委員会の活動や最近の規格化の動向について紹介する。
[B講演] 「カソード反応促進に寄与する海洋微生物特定の試み」
国際石油開発帝石(株) 鷲頭 直樹
海洋微生物はステンレス鋼の局部腐食を誘起するのみならず、その成長速度を上昇させる。成長段階にある局部腐食の加速原因は、カソード部へ付着した微生物によるカソード反応促進であると考えられる。
本報告では、すきま腐食を念頭におき、カソード反応促進に寄与する微生物因子の解明を図った。その結果微生物の総量ではなく、特定の微生物の有無がカソード反応速度を決定する主因であることを明らかにした。
また、カソード反応を促進する微生物の絞り込みも行ったので、これらに関して紹介する。
以上
|